僕が半年間、一度も挫折しなかった”心の守り方”
告白します。
このブログで、半年でTOEICスコアを400点以上アップさせた、といった偉そうな話をしている僕も、その半年間、数え切れないほど「もう、全部やめてしまいたい」と思いました。
仕事で理不尽なことがあって、心身ともに疲れ果てた時。
飲み会で、同僚たちが楽しそうに未来を語っているのを聞きながら、「俺は、何でこんな孤独な勉強をしてるんだろう」と、虚しくなった、金曜の夜。
週末にリスニングを解いていて、英文が聞こえず、自分の才能のなさに、本気で絶望した時。
「やる気」なんていう、綺麗で、前向きな言葉では、到底表現できない。
ベッドに倒れ込み、スマホの単語アプリを開く気力すら湧いてこない。
参考書が、まるで自分の無力さを嘲笑っているかのように、重く、冷たく見える。
そんな夜が、何度もありました。

もし、あなたが今、同じような気持ちでいるのなら。
もし、「頑張れない自分」に、罪悪感や嫌悪感を抱いているのなら。
どうか、自分を責めないでください。
やる気が出ないのは、あなたが弱いからでも、怠けているからでもありません。
それは、前に進もうと必死にもがいているからこそ訪れる、ごく自然で、人間的な反応なのです。
この記事では、そんな僕が、どうやってその「心が動かなくなった日」を乗り越え、一度も学習を中断することなく、半年間を走り抜けることができたのか。
綺麗事一切なしの、僕が実践した「心の守り方」を、具体的な改善策として、全てお話しします。
改善策①:「ゼロか100か」という、完璧主義の呪いを解く
学習を始めた頃の僕は、典型的な「完璧主義者」でした。
手帳に、こう書き込むのです。
「平日:毎日2時間、必ず勉強する!」
「週末:土日で、必ず模試を1回分解く!」
そして、どうなるか。
急な残業で、勉強時間が1時間しか取れなかった日。
「ああ、今日も目標達成できなかった…。ダメなやつだ」
と、強烈な自己嫌悪に陥るのです。
そして、一度「できなかった日」を作ってしまうと、不思議なもので、次の日も「昨日できなかったしな…」と、モチベーションが上がらない。
これが、挫折への黄金ルートでした。
この呪いを解いたのは、ある日の、本当に小さな気づきでした。
疲れ果てて帰ってきた夜、僕は、手帳の目標を、二重線で消し、こう書き直したのです。
「目標:金フレの単語を、10個だけ見る。見たら、今日は大勝利とする」
ベッドに寝転がったまま、スマホでアプリを開き、10個だけ、単語を眺める。
所要時間、わずか1分。
そして、僕は、自分にこう言い聞かせました。
「よくやった。今日も、俺は、英語に触れた。ゼロじゃなかった。これは、勝ちだ」
「ゼロか100か」の発想を、捨てる。
「1でもやったら、それは100と同じ価値がある」と、自分で自分を承認する。
この「超ハードルが低い目標設定」が、僕の心を、どれだけ軽くしてくれたか分かりません。
2時間できなかった日も、5分だけ、いや、1分だけでも英語に触れる。
その「途切れさせなかった」という事実が、次の日の自分を、力強く支えてくれるのです。
改善策②:自分を「もう一人の自分」として、客観的にマネジメントする
そんな時、僕が実践していたのは、幽体離脱のように、自分の身体からスッと抜け出し、「もう一人の自分」が、ダメな自分を客観的に観察する、という少し変わった方法でした。
【エピソード:ある水曜の夜】
その日、僕は、上司との意見の対立で、精神的にひどく消耗していました。
家に帰っても、頭の中は、会議でのやり取りがグルグルと回り、怒りと無力感で、何も手につきません。
参考書を開くなんて、もってのほか。
以前の僕なら、「こんな精神状態でどうするんだ!勉強しなきゃ!」と、自分をさらに追い込んで、パニックになっていたでしょう。
しかし、その日の僕は、違いました。
ソファに沈み込む自分を、もう一人の僕が、天井から冷静に眺めている。
そんなイメージを持ったのです。
そして、その「もう一人の僕」は、こう呟きました。
「お、こいつ、今日、相当メンタルやられてるな」
「脳が完全に疲弊してる。こんな状態で、新しい知識をインプットしても、効率が悪いだけだ」
「よし、今日のタスクは『勉強』じゃない。『徹底的に、自分を甘やかす』に変更しよう」
僕は、その声に従い、その日は、勉強を一切やめました。
代わりに、好きなお笑い番組を観て、少し高いアイスクリームを食べ、いつもより早くベッドに入りました。

すると、どうでしょう。
次の日の朝、目覚めた時の、心と頭の軽さ。
「よし、昨日休んだ分、今日は朝から頑張るか!」
と、驚くほど自然に、机に向かうことができたのです。
自分を、責めない。自分を、追い詰めない。
まるで、大切な友人のコンディションを気遣うように、あるいは、優秀なマネージャーが、一人の選手の様子を観察するように、客観的に、今の自分を分析し、その時々で、最適な「タスク」を与える。
改善策③:「未来の自分」という、最強の味方と契約する
モチベーションとは、結局のところ、「何のために、これをやっているのか?」という問いへの、自分なりの答えです。
その答えが、揺らいだ時に、人の心は折れます。
僕も、何度も揺らぎました。
「こんなことして、本当に意味があるのか?」
と。
そんな時、僕が書いた「手紙」があります。
「半年後の俺へ。
今、お前は、330点という現実に、絶望しているかもしれない。
でも、俺は、半年後の、お前を信じている。
お前は、絶対にハイスコアを取って、胸を張って、新しい会社の面接を受けている。
今のこの悔しさを、惨めさを、絶対に忘れるな。
未来で、笑って会おう。
過去の俺より」
これは、僕が、「未来の自分」と交わした、血判状にも似た「契約書」でした。
勉強が手につかなくなるたびに、僕は、机の引き出しから、この紙を取り出し、何度も、何度も読み返しました。
すると、不思議と、心の奥から、力が湧いてくるのです。
「そうだ。俺は、未来の自分と、約束したんだった」
「あいつを、裏切るわけにはいかない」
「なぜ、この勉強を始めたのか?」という、あなたの「原点」を、物理的な「言葉」として、残しておく。
それは、未来のあなたが、道に迷った過去のあなたを、時空を超えて励ましに来てくれる、タイムマシンのようなものです。
この「未来からの手紙」ほど、強力なモチベーション維持装置を、僕は知りません。
改善策④:「意志」に頼るな。「環境」で自分を動かせ
最後に、最も実践的な改善策です。
それは、「やる気」という、曖昧で、移ろいやすい感情に、一切期待しない、ということです。
意志の力は、あなたが思っているよりも、ずっと脆い。
疲れていれば、いとも簡単に、誘惑に負けてしまいます。
帰宅後の「強制スイッチ」
家に帰ったら、「ソファに座る」という、最高に魅力的な選択肢を、自分から奪いました。
僕は、玄関から自分の部屋までの動線上に、参考書とノートを開いたまま置いておく、というルールを課しました。
家に帰り、カバンを置いたら、まず、その机の前に座り、1問でも問題を解くまで、他のことは一切しない。
この「強制スイッチ」が、帰宅後のダラダラ時間を、完全に消し去ってくれました。
スマホの「聖域化」
最大の敵である、スマホ。
僕は、エンタメ系のアプリ(SNS、ゲーム、動画サイト)を、全て、ホーム画面の奥深く、フォルダの3ページ目とかに隠しました。

そして、ホーム画面の一番押しやすい場所には、「abceed」と「スタサプ」だけを置きました。
無意識にスマホを触った時、最初に目に入るのが、勉強アプリになる。
この小さな工夫が、無駄な時間を、学習時間に変えてくれました。
やる気があるから、行動するのではありません。
行動するから、やる気は、後からついてくるのです。
自分を動かすための「環境」や「仕組み」を、先にデザインしてしまう。
それが、弱い意志を、強力にサポートしてくれる、最も賢い戦略です。
まとめ:完璧な人間になろうとしなくていい
この記事で紹介した方法は、特別なものではありません。
弱い、怠け者の、ごく普通の人間である僕が、そんな自分と、どうにか折り合いをつけ、前に進むために、必死で編み出した、泥臭い知恵の数々です。
もし、あなたが今、頑張れない自分を責めているのなら、どうか、思い出してください。
完璧な人間なんて、この世のどこにもいません。
誰もが、弱さと戦い、迷い、それでも、一歩前に進もうとしています。
この記事が、あなたの「心の守り方」の、一つのヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。

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