「好きなことを、仕事にしよう」
SNSを開けば、
キラキラと輝くインフルエンサーたちが、
そう語りかける。
会社に縛られず、
自分の「好き」を追求し、
自由に生きる姿。
それは、
あまりにも眩しく、
魅力的だ。
ひるがえって、
自分を見る。
満員電車に揺られ、
パソコンの画面と向き合う、
代わり映えのしない毎日。
大きな不満はない。
でも、心の底から
「これが私の天職だ」と、
胸を張って言えるほどの情熱もない。
「私には、あんな風にはなれない…」
「そもそも、仕事に”好き”なんて、
持ち込んでいいのだろうか…」
もし、あなたが今、
そんな「理想」と「現実」の狭間で、
息苦しさを感じているのなら。
少しだけ、
僕の話を聞いてください。
かつて、TOEIC 330点という現実を前に、
キャリアの全てを諦めかけていた僕が、
そこから人生を切り拓く中で見つけた、
「好きを仕事にする」という言葉の、
本当の意味について。
その問いは、あなたを幸せにするか?
まず、僕たちは、
一つの「呪い」から、
自由になる必要があります。
それは、
「仕事は、『好きなこと』か『安定したこと』の、
どちらかを選ばなければならない」
という、二者択一の思考です。
この問いの立て方そのものが、
僕たちを、袋小路に追い込んでいきます。
「好き」を選べば、
収入の不安がつきまとう。
「安定」を選べば、
やりがいのない日々に、
心をすり減らす。
まるで、
どちらを選んでも、
何かが欠けてしまうかのような、
残酷な選択。
でも、
本当に、そうなのでしょうか?
僕は、
違うと思います。
僕が、
半年間の孤独な学習の果てにたどり着いたのは、
この二者択一ではない、
第三の道でした。
それは、
「今の場所で、誰にも奪われない”武器”を磨き、
選べるカードを増やした上で、
戦略的に『好き』に近づいていく」
という道です。

僕の場合:「英語」は、好きでも、得意でもなかった
正直に告白します。
僕にとって、英語学習は、
決して「好きなこと」ではありませんでした。
むしろ、
好きでも嫌いでもない。
科目の中では好きな部類ではあったが、
得意ではない。
他の科目ができなさすぎて、
ましな科目ぐらいの位置づけでした。
僕が、
あの絶望的な330点というスコアを前に、
再び英語と向き合うことを決意したのは、
「好き」だからではありません。
それは、
「これさえあれば、
今のこの惨めな状況から抜け出せるかもしれない」
という、極めて戦略的で、
打算的な理由からでした。
僕にとって、TOEICの勉強は、
- どんな業界、どんな職種でも通用する、
汎用性の高い「武器」であること。 - 努力が「スコア」という、
客観的な形で証明されること。 - 今の仕事を続けながらでも、
独学で、自分の力だけで手に入れられること。
この3つの条件を満たす、
最も確実で、
最も再現性の高い「自己投資」だったのです。
それは、
僕が、未来の自分に贈ることのできる、
最強の「装備」でした。

「武器」を手にした時、初めて「地図」が手に入る
半年後、
僕は、755点という「武器」を手に入れました。
その瞬間、
僕の世界は、一変します。
以前は、転職サイトを開いても、
応募できる求人は、
今と似たような、
限られた選択肢しかありませんでした。
しかし、
その武器を手にした僕の目には、
今まで見えていなかった、
全く新しい「道」が見え始めたのです。
- 外資系企業の、
マーケティング職。 - 海外のゲームを、
日本に展開する、
ローカライズ担当。 - グローバルなITプロジェクトの、
プロジェクトマネージャー。
それらは、
僕が、ぼんやりと
「面白そうだな」
「好きかもしれないな」
と思っていた、
憧れの業界の仕事でした。
以前の僕なら、
「自分には無理だ」と、
クリックすることすらなかった求人です。
そう。
「武器」を手に入れるということは、
あなたの人生の「選択肢(オプション)」を、
劇的に増やすということ。
そして、
選択肢が増えて初めて、
僕たちは、
自分の「好き」が、どこにあるのかを示す
「地図」を、手に入れることができるのです。
「好きが分からない」のではありません。
「好きを選ぶための、
選択肢が、なかった」だけなのです。
「好き」と「得意」が、交差する場所を探す旅
僕は、今、転職活動の真っ最中です。
まだ最終的な決断は下していませんが、
一つだけ確信していることがあります。
それは、
今の僕には、
「選択肢」があるということ。
- 僕が、これまでのキャリアで培ってきた
「得意なこと」(プロジェクト管理・調整能力) - 僕が、これから挑戦したいと思っていた
「好きなこと」(グローバルな環境)
その両方が交差する場所を、
今度は、戦略的に選ぶことができる。
仕事は、
決して、楽ではありません。
でも、
不思議と、
以前のような「虚しさ」はないのです。
なぜなら、
そこには、
「自分の力で、この場所を選び取った」
という、確かな実感があるから。
そして、
困難な課題にぶつかった時も、
「この経験が、僕を、さらに強い場所へ連れて行ってくれる」
という、未来への信頼があるからです。
まとめ:まずは、あなたの「武器」を磨こう
「好きなことを仕事にすべきか?」
その問いに、
もし、今の僕が答えるなら。
「その問いに、
今すぐ答える必要はない。
それよりも先に、
やるべきことがある。
まずは、
今の場所で、
あなただけの、
誰にも奪われない”武器”を、
一つ、手に入れよう」
と、そう言うでしょう。
その武器は、
プログラミングでも、
デザインでも、
マーケティングでも、
何でもいい。
そして、
もし、あなたが、
かつての僕のように、
特別なスキルがないと感じているなら。
「英語」は、
その最初の武器として、
これ以上ないほど、
最適です。
その武器が、
あなたの見える景色を変え、
選べる道を増やし、
本当の「好き」がどこにあるのかを、
教えてくれるはずです。

「好き」を探す旅は、
それからでも、
決して、遅くはありません。
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