TOEICのリーディングセクション。
必死に問題を解き進め、
ふと時計を見ると、
残り時間はあとわずか。
そして、目の前には、
手付かずの長文が、
まだ2つも、3つも残っている…。
「ああ、また終わらなかった…」
試験終了の合図と共に、
あなたは、最後の10問、15問を、
ただ無心でマークシートに塗りつぶす。
この、あまりにも悔しい
「塗り絵」作業、
あなたも経験がありませんか?
こんにちは。
TOEIC対策ブロガーのれんです。
時間が足りない本当の原因は?
もし、あなたが今、
この「時間が足りない問題」に、
深刻に悩んでいるのなら、断言します。
その根本的な原因は、
あなたが苦手だと思っている
Part7(長文読解)には、ありません。
本当の原因は、
その手前の、
Part5(短文穴埋め問題)に、隠されています。
あなたが、良かれと思ってやっている、
Part5の”丁寧な解き方”。
それこそが、
あなたの貴重な時間を奪い、
リーディングセクション全体の崩壊を招いている、
最大の犯人なのです。
この記事で得られること
この記事では、
Part5を「知識を問うパート」から
「時間を稼ぐための戦略的パート」へと、
あなたの意識を180度変えるための、
具体的な思考法と、
タイムマネジメント術をお伝えします。
この記事を読み終える頃には、
あなたは、Part5を
“1問平均20秒”で駆け抜け、
Part7に、新たに10分以上の時間を
生み出すための、強力な武器を
手にしているはずです。
ステップ1:まず”選択肢”を見て、敵の正体を瞬時に見抜け!
Part5を解く時、
あなたは、どこから読み始めますか?
多くの真面目な学習者が、
問題文の、最初の一語から、
丁寧に読み始めます。
今日から、その習慣を、完全に捨ててください。
最初に見るべきは「選択肢」
あなたが、最初に見るべき場所。
それは、問題文ではなく、
A,B,C,Dの「選択肢」です。
なぜなら、選択肢を見れば、
その問題が、あなたに何を求めているのか、
その「正体」が、一瞬で分かるからです。
Part5の問題は、
大きく分けて、
2種類しかありません。
タイプA:品詞問題(ラッキー問題)
選択肢の特徴:
develop, development, developing, developed
のように、同じ単語の、
形が違うものが並んでいる。
解き方:
文の意味を考える必要は、ほぼない。
空所の前後だけを見て、
文の構造(文法)で解ける。
目標時間:10秒
タイプB:語彙・語法問題(少し厄介な問題)
選択肢の特徴:
however, therefore, moreover, instead
のように、全く意味の違う単語が並んでいる。
解き方:
文の構造だけでは解けない。
文全体の意味を、
正しく理解する必要がある。
目標時間:30秒
どうでしょうか。
問題文を読む前に、
この「仕分け作業」をするだけで、
「この問題は、時間をかけずに解けるやつだ」
「こっちは、少しじっくり考えないとヤバいやつだ」
という、心の準備と、
時間配分の戦略が、
立てられるようになります。
これが、超速タイムマネジメント術の、
最も重要な第一歩です。
ステップ2:品詞問題は「構造」で、語彙問題は「意味」で、機械的に解く
敵の正体を見抜いたら、
あとは、それぞれのタイプに応じた、
最適な方法で、
効率的に処理していくだけです。
品詞問題(目標10秒)の思考プロセス
品詞問題は、
「意味を考えたら、負け」です。
これは、英語の知識を問う問題ではなく、
文の構造という”ルール”を知っているかを問う、
パズルのようなものです。
例題:
The ——- of the new marketing plan will begin next month.
(A) implement
(B) implementing
(C) implementation
(D) implemented
この問題を見た時、
あなたの思考は、
こうあるべきです。
思考プロセス:
- (選択肢を見る)
→ implementの変形が並んでいる。
よし、品詞問題だ。 - (空所の前を見る)
→ The があるな。(冠詞) - (空所の後ろを見る)
→ of があるな。(前置詞) - (ルールを思い出す)
→The
とof
に挟まれるのは、
必ず「名詞」だ。 - (選択肢から名詞を探す)
→ -tion で終わる
(C) implementation が名詞だ。 - (マークして、次へ)
→ 経過時間:8秒。
この間、僕は、
「マーケティングプランの”実施”が…」
などと、日本語の意味は、
一切考えていません。
ただ、ルールに従って、
空所に入るピースを選んだだけ。
この、機械的な思考こそが、
時間を生み出すのです。
語彙・語法問題(目標30秒)の思考プロセス
こちらは、品詞問題と違い、
文脈を理解する必要があります。
しかし、それでも、全文を、
一語一句、丁寧に訳す
必要はありません。
例題:
Ms. Sato is a very reliable employee; ——-, she often works late to finish her tasks.
(A) for example
(B) in addition
(C) on the other hand
(D) as a result
この問題を見た時の、
思考プロセスです。
思考プロセス:
- (選択肢を見る)
→ 意味の違う接続副詞が並んでいる。
語彙問題だ。少し時間がかかるな。 - (空所の前後の、文の関係性を考える)
→ 前の文は「サトウさんは、信頼できる従業員だ」
(プラスの意味)。
後ろの文は「彼女は、仕事を終えるために、
よく遅くまで働く」(これも、プラスの意味)。 - (関係性を判断する)
→ プラスの意味に、
プラスの意味を付け加えている。
これは、「追加・補足」の関係だ。 - (選択肢から「追加」の意味を持つものを選ぶ)
→ (B) in addition(加えて)が、ピッタリだ。 - (マークして、次へ)
→ 経過時間:25秒。
このように、文全体の、
大まかな意味の方向性
(プラスか、マイナスか。
原因か、結果か。
逆接か、順接か)
を掴むことができれば、
語彙問題も、
スピーディーに解くことが可能です。
ステップ3:”30秒考えても分からない問題”は、潔く”捨てる”勇気
これが、言うは易く、行うは難し、
しかし、最も重要なステップです。
難問に時間をかける危険性
Part5には、時々、
あなたの知識の穴を、
ピンポイントで突いてくる、
難問・奇問が混ざっています。
その問題に、あなたは、
1分、2分と、貴重な時間を、
溶かしてしまっていませんか?
それは、リーディングセクションにおける、
**最悪の”自殺行為”**です。
考えてみてください。
あなたが、その1問に2分かけたとして、
正解できる保証はありますか?
ありませんよね。
しかし、その2分があれば、
Part7の、比較的簡単な問題が、
2問、確実に解けたかもしれないのです。
配点は、どちらも同じ、
貴重な5点です。
TOEICは総合点勝負
TOEICは、
総合点で競うゲームです。
難しい1問に固執するよりも、
簡単な問題を、
確実に拾っていく方が、
スコアは、遥かに安定します。
具体的なアクションプラン
今日から、
ストップウォッチを使い、
Part5を解いてください。
そして、1問につき、
30秒という、厳しい制限時間を、
自分に課してください。
タイマーが鳴った瞬間、
たとえ、答えが分からなくても、
潔く、一番それっぽい選択肢に
マークを付け、強制的に、
次の問題に進むのです。
この「損切り」の勇気こそが、
あなたを「塗り絵」の悪夢から解放し、
Part7に、新たな10分という、
希望の光をもたらしてくれるのです。
結論:Part5は”ウォーミングアップ”。本番は、Part7だ。
もう、お分かりいただけたでしょうか。
TOEIC Part5は、
満点を狙うための、
重厚な知識を問うパート
ではありません。
それは、8割程度の正解を、
圧倒的なスピードで叩き出し、
本番であるPart7のための、
十分な時間を捻出するための、
戦略的な”ウォーミングアップ”なのです。
あなたの本当の目標
あなたの目標は、
Part5を完璧にすることではありません。
リーディングセクション全体で、
1点でも多く、
スコアを稼ぐことです。
今日から、
あなたのPart5への意識を、
変えてみませんか?
ストップウォッチを片手に、
「1問20秒」を、合言葉にする。
その、ほんの少しの意識改革が、
あなたの長年の悩みであった
「時間が足りない問題」を、
根本から解決してくれるはずですから。
今すぐ実践してみてください!
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